2021年がスタートしました。本日は成人式です。昔は1月15日と定められていて、門松も片づけられるのもこの成人式の15日あたりです。
さて、3学期はもうすでに始まっているところが大方かと思われます。当方の課外体育教室もすでに始まっているところもありますが、今週から再開のところが多いです。
本年度の最終学期となります。各学齢ごとの目標を定めてこの1年間進めてきましたが、その集大成の学期になります。
コロナの影響で本年は保護者の皆様のクラス見学を控えさせていただいており、後期より始めました、教室の様子を撮影し、その動画を見ていただきお子様のがんばっている様子を少しでも保護者の皆様にお伝えできればと考え、今学期も月末辺りで撮影を予定しております。
ところで、この動画をお子様と一緒にご覧いただくときに、お子様にどんな言葉がけをしていらっしゃるでしょうか?
「○○ができるようになったのね!すごいね!!」
「クラスで一番になれたのね! 素晴しい!」
こんな感じでしょうか…
逆に、「上手になっている感じがしないわ…」とか、「もっと集中できなのかしら・・・」とか、言葉としては発しなくても、心ではそう思いつつ動画をご覧になっている保護者の方も少なからずいらっしゃるのかもしれません。
よく言われます「アメとムチ」をどう使い分けるかが指導上の一つのテクニックといわれます。
当方の指導コンセプトは「アメ」、というよりは「楽しい、嬉しい、爽快の体感」としています。
この3つの感情は、人をやる気にさせます。言ってみれば“やる気スイッチ”となる感情ですね。
少し科学的な側面を付け加えますと、こうした感情を持つことで、脳内では「意欲を作るホルモン」ともいわれる「ドーパミン」という脳内ホルモンが分泌されます。
ドーパミンに基本的な作用は下記の通りです。
- 何らかの行動をしたときに、ドーパミンが分泌されることによって、脳に快感を与える
- 脳は一度経験した快感を記憶し、再びその快感を得るための意欲(モチベーション)を生じさせる
- さらに効率よく快感を得るために学習し、その行動の精度を向上させようとする
といった流れで働きます。
貼り付け元 <https://www.human-sb.com/dopamine/>
基本は体を動かす楽しさを体感し、小さなことで良いので成功体験を積み上げ、先生や仲間から、親御さんから褒められ、またやる気を出してチャレンジしていく。
まずは「楽しい!」と体感することが何よりも重要である理由をご理解いただけましたでしょうか。
ここで「褒め方」について少し触れておきます。
人は褒められる、つまり認めてもらうことは「マズローの欲求5段階説」の「承認欲求」にあたります。人として褒められることは大きな欲求なのです。特に親から褒められることは子供にとっては快感そのものなんでしょう。
だから子供たちは、「見て見て!」「聞いて聞いて!」と親の忙しさなど関係なく、自分を認めてもらいたいがために全力で言ってきますね。親にしてみればいい迷惑なことが多いわけですが、仕方がないです。それが子供にとっては「快」なのですから。
そこで親は子供の話を聴いて、様子を観て子供を褒めます。「○○ちゃん、すごいわね!こんなことができるのね!」と。よくある会話ですね。
ただ、いつもこうした結果だけを褒めていると、子供たちは良い結果が得られればいつも褒めてもらえると思うようになります。
すると、今の力では達成できないことへのチャレンジをしなくなる傾向が出てきます。
結果主義、成果主義の落とし穴です。
ではどこにポイント置いて褒めるか。それは「工夫したこと」への称賛です。
その子が自分なりにどう考えやってみたのか。そして、結果がうまくいったなら、それはそれとして褒め、そして次なる工夫はどこにあるか、聴きだすことがとても大切になってきます。
もしうまくできなかった、失敗した時はどうするか。「もっと集中して、先生の言うことをよく聞きなさい!」とか「あなたならもっと頑張れるわよ!」と叱咤激励となるでしょうか…
上手くいかなかったときの声掛けのポイントは、「〜だからダメなんだ!」ではなく、「〜してみるのはどうかな・・・」と「工夫する」ことと「可能性」を感じさせることです。
「失敗」=「不合格」が一般的な考え方ですが、アメリカの教育学者が「未合格」という言葉を使って、「失敗は、今はまだできていないけど、それは工夫次第でできるようになる可能性のある段階」という話を聴き、大変感銘を受けました。
クラスの動画に話を戻しますが、ぜひお子様と一緒に、できればご家族皆さんでご覧いただき、どんな工夫をしたのか、これからどこをもっと頑張ってみたいのか、そんなところにポイント置いてお話ししてみてください。
ご家庭でのそんな会話から、子供たちの教室参加のモチベーションが更に上がり、より楽しく、そしてその結果として成功体験を積み上げ自身へとつながることを確信しております。