7月となりました。今年も残り半分ですね!
そしてついに、このコロナ禍で開催が決定した東京オリンピックが今月23日から始まります。
まずは感染が広がらず、各国代表のアスリートの皆さんが、そのパフォーマンスを最大限発揮できる環境を提供できますことを主催国である日本の国民の一人として願うばかりです。
今回のオリンピックは、これまでのオリンピック史上で最も過酷な条件での大会になるのでしょう。
その中で、選手たちは試合当日、これまで積み上げてきた努力をすべて出し切れるように心身ともにベストな状態になるよう調整してきます。
特にメンタル面において、「自己肯定感」を目一杯上げて試合に臨みます。
この自己肯定感、日本人の子供たちは諸外国と比べて低いといわれています。
こんな調査があります。
【「自分はだめな人間だと思うことがある」に対する回答】
国 | とてもそう思う ・まあそう思う |
日本 | 72.5% |
中国 | 56.4% |
アメリカ | 45.1% |
韓国 | 35.2% |
参考:「高校生の生活と意識に関する調査報告書-日本・米国・中国・韓国の比較-」(2015年)
(引用:日本の子どもは自己肯定感が低い!子どもの自己肯定感を高める方法と気を付けたい親のNG行動 | ちいくる (chiikuru.jp))
「自己肯定感」とは、「自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉(引用:wikipedia)」です。
オリンピックに出る選手たちは何年にもわたって努力を積み上げ、何度も失敗を繰り返す中で挑戦を続けてきたわけです。
落ち込むときもあったことでしょう。諦めかけたこともあったでしょう。自暴自棄となったこともあったでしょう。
それでもまた這い上がってやり続けた結果、オリンピック出場という栄誉をつかんだということですね。
自分の努力を評価し、自分は大丈夫! 必ずできる!!と何度も何度も自分に言い続けてきたのでしょう。
その最高潮が、オリンピックの試合に臨む時なのでしょう。
自己肯定感は最大級ですね!!
私が日々教室で会う子供たち。笑顔で楽しく参加してくれています。それはとても素敵なことなのですが、気がかりなのは、新しい課題、例えば跳び箱の段を上げてみるとか、片手での側転にしてみるとか。
すると、まず出てくる言葉は、「無理!」「できない!」「やりたくない!(できないから・・・)」です。
できるかできないかは、やってみなくてはわかりません。
そして、初めから上手にやることはこちらは求めていませんし、指示も出していません。
つまり、子ども自身が、自分で最初から上手にできることを良しとしてしまっているわけです。
あるいは、失敗は非(良くない)なるものと捉えているわけですね・・・
失敗か失敗でないかは、うまくいかなかった後の行動で決まります。
そこで「自分はダメな人間だ」として逃げてしまえば「失敗」になるでしょう。
「いや、どこがうまくいかなかったのか、どうすればよいのかな?」と考え、またチャレンジすれば、それは失敗ではありません!
そのチャレンジを積み上げていけば、「自己肯定感」はどんどん上がっていきます。
おぎゃー!っと言ってこの世に生まれた赤ちゃんは、1年ほどで歩き始めますね。
何度も転んでは、立ち上がってよちよちと歩き、そのうち簡単には転ばなくなりますね。
その何度も転んでは立ち上がる赤ちゃんたちが、「無理!」とか「できない!」と言って、すぐ諦める姿を見たことがあるでしょうか…
転んで何かにぶつかれば泣くでしょうが、それでも、またすぐに立ち始めますよね。
そう、赤ちゃんたちは諦めません。
でもそれから2~3年ほど時間が経過し、幼稚園、保育園での生活が始まる頃になると、先のわたくしの話のようなことが起き始めます。
園での生活が始まると、それまでの親子の世界だけだったものが、同年代の仲間や先生たちという他人との関係性の中で過ごす時間が一気に増えます。
そうすると、他人と比較される場面が増えます。
親も、それまでは我が子だけとの関係性が、他人の子供、赤の他人の親たち、また先生たちとの関係性が新たに生まれてきます。
親も子も視点が外に向きます。
他者との比較の始まりです。
そして、他者よりも正しく、上手に、早く、きれいにできると褒められ、大好きな親の、あるいは先生の喜ぶ姿を見るようになります。
人間は他人が喜ぶ姿(笑顔)を見ると脳に快感物質(エンドルフィン、ドーパミン、セロトニンなどの脳内ホルモン)が放出されます。
だから、人に喜ばれる行動を起こします。
逆に、残念な様子、不安な様子を見ることは避けたい。
脳は不安要素はなるべく避けたがるわけです。不安になるということは危険が近づくことと脳が判断するからです。
人は根本的に、快か不快で判断し、行動を起こします。
だから子供たちは、親や先生が喜び、自分のことをほめてくれることを求めます。
あるいは、親や先生の怖い顔、悲しむ顔は見たくない。
ということから、子どもが失敗した時の大人が、どんな表情で、どういう声かけをするかで、子供たちの「失敗」に対する捉え方は変わるはずです。
そして、うまくいかなかった時こそがチャンスで、どうすればよいかを自分に問い、チャレンジを繰り返し、小さな成功体験を積み上げていけば、必ず「自己肯定感」は上がっていきます!
もう一つ大切なことをお話しします。
大人の我々が「自己肯定感」を上げることです。
自己肯定感の低い親の下で、自己肯定感の高い子供は育ちません。
親自身が自分に対して、あるいは夫婦間でお互いの自己肯定感を上げる声かけをしているかもこの機会に見直してみてはいかがでしょうか・・・