目次
第一章 そもそも運動って、何のためにするんでしょうか・・・?
1.子供たちはなぜ走り回る?
2.我々は動物だった!
3.野生のライオンを想像してみてください
4.動物は無駄には動かない!
第二章 自分の体からの声、聴いていますか?
1.3つの“気付きワーク”
2.習慣に気づくためには
3.健康のための運動のポイント
第三章 健康づくりのための運動はこの3つでバッチリ!
1.禅の教え
2.名付けて、“S・K・A”運動
3.【S:姿勢】マイ・コルセット体操
4.【K:呼吸】横隔膜呼吸
5.【A:歩く】肩甲骨歩行
第四章 ウォーキング指導のポイント
1.歩行の3つのポイント
2.ウォーキングのチェック方法
3.タオルウォーキングのすすめ
第五章 体力チェックについて
1.ロコモティブシンドロームのチェック方法
2.歩行チェック方法
第六章 情報“禍”社会にあって健康を考える
1.「自分ごと」になってますか?
2.バランス感覚の重要性
3.「循環」の重要性
最後に
1.「健康になる」ことは目的?
2.粋々健幸ライフを目指して!
第一章 そもそも運動って、何のためにするんでしょうか・・・?
1.子供たちはなぜ走り回る?
何のために運動はしなくてはならないのでしょうか?と問われたら、皆さんはどう答えられますか?
血糖値、血圧を下げるため、痩せるため、寝たっきりにならないため、ボケないため、元気に長生きするため・・・、そんな答えがパッと頭に浮かびます。
ではこんな場面を想像してください。
ここは広い体育館です。そこに数名の幼稚園児たちが入ってきました。この子供達は何を始めるでしょうか?ちょっと考えてみてください。
子育てされた方であれば想像つくかと思うのですが、この子たち、体育館に入ってきた途端にやり出すことは・・・
走り回り出します!
私は幼児、小学生を対象とした体育教室も長年開催してきました。毎日3歳児から10歳児前後の子どもたちと接していて、この仕事を始めた頃からの素朴な疑問が、「なぜ子どもたちは広い部屋に入ってくると走り回るのかな?」でした。
その答えを知りたくて、走り回っている子供に聞いてみました。「何で走っているの?」って。そうしたら、子供たち、何と答えたと思いますか?
答えはありませんでした。質問された子供は私の顔をしばらく見て、何も言わず、また走り始めました。
質問された子は私に意地悪したわけでも何でもなく、ただ、「そんなのわからない!」ということなんです。
つまり、子供たちにとって、走り回ることに理由なんてないんですよね。ただ、広い場所があって、なんか走りたくなっちゃうわけですよ。
これが、体育館を走っている大人の方だったら、「なぜ走っているんですか?」と聞けば、先ほどのような答え、痩せるため、体力つけるためといった返事が返ってくるでしょう。大人は走ること、あるいは運動することには何か理由があるわけです。
でも子供達が走ることにはそんな理由はないのです。走りたいから、動きたいからやっている、ただそれだけ。
運動というものは本来、この子供たちがやっている通り、「〜のためにやる」ことではないのではないかなと思うのです。